Nirai In The Heart

ニライカナイとは？

ニライカナイは沖縄県や鹿児島県奄美諸島の各地に伝わる他界概念のひとつ。

理想郷の伝承です。

 

遥か遠い東（辰巳の方角）の海の彼方、または海の底、地の底にあるとされる異界で、

豊穣や生命の源であり、神界でもあります。

年初にはニライカナイから神がやってきて豊穣をもたらし、年末にまた帰るとされています。

また、生者の魂もニライカナイより来て、

死者の魂はニライカナイに去ると考えられています。

 

琉球では死後７代目にして死者の魂は親族の守護神になるという考えが信仰されており、

後生（グソー＝あの世）であるニライカナイは、祖霊が守護神へと生まれ変わる場所、

つまり祖霊神が生まれる場所でもありました。

 

このように、ニライカナイは複合的な概念を持った楽土ですが、

この概念は本土の常世国の信仰と酷似しており、

柳田國男は、ニライカナイを日本神話の根の国と同一のものとしています。

 

なお、琉球では他の他界概念として、権威を守護する神々の神界としてオボツカグラを想定していました。

信仰上の他界概念を水平表象と垂直表象で論じた折口信夫は、

ニライカナイを水平の、オボツカグラを垂直の他界と指摘しています。

 

ニライカナイ信仰は、現在も旧琉球王国領の各地域において、

伝統的な民間信仰の主要な要素となっています。

 

（出典：Wikipedia）

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